基地内大学(メリーランド大学グローバルキャンパス)とは

1.はじめに

この記事では、基地内大学の概要を簡単にまとめていこうと思います。

大学の説明会で聞いた内容、大学のパンフレット及び窓口となっている各自治体のHPを基に内容をまとめてみました。

 

 

2.基地内大学とは

基地内大学とは、米軍人、軍属及びその家族を対象に、高等教育の機会を提供している教育プログラムです。それに加え、日本人も就学が可能であり、基地で勤務する日本人従業員や英語で学びたい社会人や大学生が受講しています。

日本国内では、三沢、横田、厚木、座間、横須賀、岩国及び沖縄の米軍基地において開校されています。

米軍基地によっては、いくつかの大学が選択できるようですが、私の最寄りの米軍基地では、メリーランド大学グローバルキャンパスのみ開校されており、ここではその大学について扱います。

 

3.メリーランド大学グローバルキャンパスとは

メリーランド大学グローバルキャンパス(University of Maryland Global Campus、以下「UMGC」といいます)とは、社会人学生の教育機会の要望を満たすため、1947年に設立された米国の公立大学です。UMGCはヨーロッパ、アジア地区において支部を持っており、日本で受講する場合は、アジア地区(UMGC Asia)の学生として受講することになります。ここでは、米国の高等教育が提供されることから、授業は全て英語で行われます。UMGC Asiaでは、準学士(日本の短期大学に相当する学位)、学士及び修士の学位を取得するプログラムが提供されています。専攻については枚挙に暇がありませんが、ここでは例として学士の専攻を列挙します。(2022年10月現在)

文系・理系

  • コミュニケーション学
  • 刑事司法
  • 東アジア学
  • 英語
  • 環境マネジメント
  • 教養学
  • グラフィックコミュニケーション
  • 歴史
  • 国土安全保障
  • 人文学
  • 法学
  • 政治学
  • 心理学
  • 治安管理
  • 社会学

ビジネス

インフォメーションテクノロジー

  • コンピュータサイエンス
  • サイバーセキュリティマネジメント
  • サイバーセキュリティテクノロジー
  • データサイエンス
  • マネジメントインフォメーションシステム
  • ソフトウェア開発
  • ウェブ・デジタルデザイン

なお、UMGC Asiaでは、修士の専攻としてMBAのプログラムが提供されています。

 

3.授業の方法

UMGC Asiaでは、以下の5つの方法により授業が行われています。

いずれの方式でおいても、LEOと呼ばれる大学HPにおいて課題等の提出を行います。

 

・対面授業

 基地内の大学施設で授業を受講する方式

・バーチャル

 zoomにより授業を受講する方式

・ハイブリッド

 基地内の大学施設で授業を受けつつ、LEOという大学HP上でクラスメイトとのディスカッションを行う方式

・通信教育

 対面やzoomによる授業を伴わずに受講する方式

ライブストリーミング

 1か所の教室から同時に2か所以上の教室で授業を行う方式

 

新型コロナウイルスの感染対策のためか、多くがzoomによる授業になっている印象ですが、中には対面で行われている授業もあるようです。

また、いわゆる教養科目については、対面ないしzoomにて行われていることが多い一方で、専攻の授業はほとんど通信教育にて行われているようです。

私は英語を話す機会が欲しかったので、対面やzoomの授業が受けられない単位があることが残念だなと最初思いましたが、そういった授業は特定の時間を拘束されてしまうため、自分の都合のよいタイミングで受講できることはいいことなのかなと思っています。

 

4.学期や授業時間について

授業のスパンについては、1回3時間の授業が週1~2回のペースで8週間ないし4週間で行われることが多いです。

時間については、日中仕事をしている社会人が多くいることを踏まえ、平日の1800-2100、1900-2200、土曜日の0900-1600といった時間が設定されていることが多いようです。

なお、これらの期間や時間帯は、授業により異なりますので、その点ご注意ください。

ちなみに、以下のサイトで授業のスケジュールを確認できます。

 

webapps.umgc.edu

 

 

5.学費

日本の大学では、年間いくらといった形で学費を払うことが一般的ですが、この大学では履修する単位毎に学費を払う方式になります。年度により、1単位あたりの学費が変動しますが、2022年においては以下のとおりです。

  • 学費:1単位=250ドル(修士は336ドル)
  • 施設管理費:1単位あたり5ドル
  • 登録料(初回のみ):50ドル

 

通常、一つの授業で3単位取得することが多く、ひとつの授業を履修すると765ドル(日本円にして約11万円ほど)かかることになります。履修する単位の数にもよりますが、1年で15単位を履修した場合、3,825ドルとなり、50~60万円ほどの額が必要になる計算になります。

一見高く見えますが、米軍人向けの安い学費と同額で受講できることから、米国の教育を受講するという観点から見ると、リーズナブルになのではと思います。

また、学士については在学年数に制限がないため、長いスパンで在学し、受講することも可能なようです。ただし、専攻が廃止されてしまう場合もあるため、その点は注意が必要です。

 

6.応募方法について

それぞれの米軍基地の所在する自治体や団体が応募の窓口となっており、例年4月から5月にかけて募集が行われています。詳細については、各自治体や団体のHPから確認できます。

応募の条件として、周辺に居住していることが必要とされているようですが、私が参加したUMGCが主催のオンラインの説明会では、近隣に米軍基地がない場所に住んでいる人は直接UMGCの担当者に相談するよう言われていたことから、別のルートがあるのかもしれません。ただし、私は通常の自治体を通じてのルートで応募したことから、その人たちがその後どうしたかについては不明です。

また、応募に際しては、いずれの自治体や団体においても、直近の英語の資格が必要とされます。

ここでは例として、正規学生として入学する際に必要な資格を列挙します。

 

  • TOEFL iBT 71点以上
  • IELTS 6.0点以上
  • 英検準1級以上
  • Duolingo English Test 95点以上

 

なお、ブリッジプログラムコース(入学準備コース)については、この条件が緩和されます。

 

7.おすすめのサイト

最後に、私が当時基地内大学に応募したり、情報を調べるにあたって参考になったを列挙します。

 

1.佐世保市企画部文化国際課. "基地内大学就学に関すること". 佐世保市役所HP. 2022-4-13. https://www.city.sasebo.lg.jp/kikaku/bunkak/jimu.html, (2022-10-16)

www.city.sasebo.lg.jp

佐世保市のHPに掲載されている「佐世保基地内大学について(パンフレット)」というパンフレットが、私が見た中で基地内大学について最も詳細に記載されている日本語の資料です。

 

2.岩国市文化スポーツ課. "基地内大学就学推進事業". 岩国市HP. 2023-1-4, https://www.city.iwakuni.lg.jp/soshiki/19/2490.html  (2023-2-11)

www.city.iwakuni.lg.jp

 

岩国市の「★岩国基地内大学Q&A集★」がよくある質問を整理しており、多くの疑問点はここで解消できます。また、受講生の感想も見ることが出来、実際の授業の雰囲気を掴むことが出来ます。

 

3.横須賀市 市長室 国際交流・基地政策課. "基地内留学(UMGCブリッジプログラム2022)". 横須賀市HP. 2022-8-29. https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0535/umgc.html, (2022-10-16)

www.city.yokosuka.kanagawa.jp

横須賀市のHPでは、ブリッジプログラムのウェブ模擬授業の日程が掲載されており、この模擬授業において、UMGCの担当者に質問や相談を行うことが出来ます。気になることがある場合は、ぜひこの模擬授業に参加してみてはいかがでしょうか。

 

4."2022-23 CTALOG". UMGC Asia. https://asia.umgc.edu/online-degrees/catalogs, (2022-10-16)

asia.umgc.edu

英語表記になってしまいますが、一番詳しく書かれているものは大学のパンフレットだと思います。特に、各専攻について詳細に記載されているので、専攻について調べたい方はこのパンフレットを調べることがおすすめです。なお、公式HPにも詳細な情報が記載されており、URLをコピペしてGoogele翻訳に貼り付ければ、サイトごと日本語訳してくれますので、英語に自信がない場合はそういったやり方もお勧めします。(私もそうしていました)

 

8.おわりに

以上、基地内大学に関する情報を簡単にまとめてみました。

正確でない箇所もあるかもしれないことから、内容については、適宜追記・更新しようと思っています。

もし、基地内大学について気になることや内容に誤りがありましたら、コメントにてご教示いただけると嬉しいです。記事をブラッシュアップしていこうと思います。

また、次回はブリッジプログラムについて、まとめてみようと思っています。