基地内大学のアカデミック・アドバイジングについて

1.はじめに

今回は、基地内大学(メリーランド大学グローバルキャンパス。以下「UMGC」という)のアカデミック・アドバイジングの制度について紹介します。私がとてもお世話になっており、UMGCで授業を履修する上でとても大きなメリットがある制度です。今回は

 

 

2.アカデミック・アドバイジングとは

アカデミック・アドバイジングとは、学生の大学における目標を計画することや達成することを支援する制度のことです。具体的には、メール、zoom及び対面による大学担当者による面談が行われるものです。アカデミック・アドバイジングの担当者にはアカデミックアドバイザーとプログラムコーディネーターの2名がいます。アカデミックアドバイザーは、専攻選択の相談や履修計画について担当しており、1名の担当者が複数の基地を担当している場合があります。プログラムコーディネーターは、入学や授業の登録方法といったUMGCの一般的な制度について担当しており、UMGCのオフィスがある基地に1名ずつ勤務しています。

大学HPで予約をすることで面談することが出来ますが、私の場合平日の日中は仕事で時間が取りにくいので、聞きたいことがあればメールで聞くことが多いです。

 

3.私が実際に聞いた相談内容

○専攻選択について(アカデミックアドバイザー)

私はブリッジプログラムから入学したのですが、英語力を高めたいといった思いがあるのみで、具体的な専攻についてはあまり考えていませんでした。なので、アカデミックアドバイザーにそれぞれの専攻で学ぶ内容や一般的な就職先などを聞いたりしていました。

私の場合、最初はHomeland Security(国土安全保障専攻)に興味があったのですが、Law Enforcement Agency(法執行機関、いわゆる警察官や保安官のこと)が就職先の中心とアカデミックアドバイザーから聞き、コストの割にあまり自分の事務仕事に関係しない気がしたので、最終的にはPolitical Science(政治学専攻)のSecond Bachelor's Degreeにしました。

このときは、Political Scienceにも興味がある旨をアカデミックアドバイザーに伝えると、UMGCのPolitical Scienceの教授が書いたコースの特徴をまとめたネット記事を教えてくれて、それを見て専攻を決めました。

 

○履修キャンセルの方法(プログラムコーディネーター)

早めに登録していた授業について、後から仕事がバッティングしてしまったことがあり、授業の登録解除による本人の不利益についてプログラムコーディネーターに聞きました。授業期間の開始前だとGPAにも影響ないことと履修キャンセル方法を教えてもらいました。

また、仕事の繁忙期だった時期に授業を全く取らなかったときには、プログラムコーディネーターから授業を登録していないようだから授業の登録期限と方法について教えるね、と連絡が来ることがありました。

仕事の繁忙期なので今学期の授業登録を見送って、来学期の授業を登録する旨を伝えると、「仕事頑張って!上手くいくことを祈ります。教えてくれてありがとう!」と返ってきたりしました。

 

4.メリット

○目標が明確になること

大学で学ぶ上で重要なことに明確な目標を持つことがよく挙げられます。私は基地内大学のブリッジプログラムを履修している際には、趣味程度に英語の勉強が出来たらな〜といった軽い気持ちで勉強していました。他方で、正規のコースに入ると、具体的な目標を持つことは授業の中でも先生から頻繁に言われ始め、社会人がそれなりのお金と時間を費やして勉強する中で、「なぜ私は勉強するのか?」といった疑問に否おうなしに直面することになりました。例えば「何の専攻をどのよう方法(対面?通信制?)で勉強しよう・・・」といった問題に向き合うことになるのですが、そこで相談に乗ってくれるのがアカデミック・アドバイジングの担当者の方です。

アカデミックアドバイザーの方にやりたいことや興味のあることを伝えると、それらに対するオススメの専攻やその強みについて教えてくれます。専攻相談については、目標が既にある程度固まっている方にもオススメで、話しているうちに自分の目標がより具体的になったり、あるいはよりいい専攻が見つかる場合があるからです。

 

アメリカのオンライン大学の制度について学べる

アカデミック・アドバイジングのメリットは、馴染みないアメリカのオンライン大学の制度や文化を知る貴重な機会になる点が挙げられます。

ただでさえアメリカと日本の文化のギャップがある上、オンライン大学となるとかなり馴染みのない世界になると思います。そういった中で、アカデミック・アドバイジングの担当者は親切に大学の制度を教えてくれます。例えば、基地内大学には、Dean's List(優秀学生リスト)やHonor Society(優等生協会)といった日本ではあまり聞かない制度があります。これらの制度のメリットやどうすれば加入できるかなどを聞いたりすると、アメリカの大学文化の一端を知ることが出来ます。

 

○英会話の練習になる

これはあくまで副次的な効果になりますが、アカデミックアドバイジングの担当者の方との面談は英会話の練習になります。

通信制のクラスを中心に履修した場合、どうしてもスピーキングの機会が少なくなってしまいます。授業を担当している先生のオフィスアワーに面談するのも手ですが、十分な時間が取れない場合もありますし、先生は授業(学期)ごとに毎回変わることもあります。他方で、アカデミックアドバイジングの担当者は、ある程度の時間を確保してくれますし、基本的に同じ方が担当してくれます。さらに拙い日本語訛りの英語でも付き合ってくれる方が多いので、安心して相談することが出来ます。このような安心して話せる方と相談できると、ネイティブの方との英会話の練習になる面があります。ネイティブの方との英会話クラスとなると、それなりのお金が必要になりますが、これを無料で行えるのはとても大きなメリットに思います。

 

5.おわりに

以上、基地内大学のアカデミックアドバイジングの紹介でした。

アカデミック・アドバイジングを利用できることは、オンライン大学で学ぶ上で大きな支えになります。私の場合、担当者の方と英語でメールのやりとりはモチベーションになっている面もあります。

質問や相談をする中で担当者の方との関係性を築けるという部分もあるので、大学HPやカタログを見る中で、気になったことがあれば積極的にアカデミックアドバイジングの担当者に質問することをおすすめします。

もし他にも基地内大学について気になることがあれば、コメントにて教えていただけると嬉しいです。