基地内大学におけるブリッジプログラムとは

1.はじめに

ここでは、基地内大学のブリッジプログラムについて説明しようと思います。

私はヴァーチャル(Zoom)のクラスに1年間かけてブリッジプログラムに参加しましたので、その経験を踏まえ簡単にブリッジプログラムについて、まとめてみました。

書き始めるときりがないので、概要、カリキュラム、受講のメリット及び必要な英語資格について、私の感想を交えながら述べていきます。

 

 

2.ブリッジプログラムとは

ブリッジプログラムとは、メリーランド大学グローバルキャンパスAsia(以下、UMGC Asia)が実施する、英語を母国語としない人を対象とした、大学で必要とされるリーディング、リスニング、スピーキング及びライティングのスキルを付与するプログラムです。このプログラムのそれぞれの科目においてC以上の成績を取得すると、UMGC Asiaの正規学生として入学することができます。

 

3.カリキュラム

カリキュラムの内容は、大学で学ぶ上で必要な英語スキルを学ぶことが主題に置かれています。

授業では、積極的な発言や発表など積極的な参加が求められます。また、各グループに分かれてのディスカッションやプレゼンテーション、お互いの課題の相互レビューなどクラスメイトとのコミュニケーションが重要になってくる点も特徴の一つです。

また、先生はネイティブで、授業中は日本語でのやりとりは基本的に行わないよう注意されます。

各基地によって異なるかと思いますが、私が受講したZoomのクラスでは、3時間の授業が平日の週2回行われていました。具体的には、月曜日と水曜日の19時~22時の時間帯です。(アメリカの祝日により休校がある場合は、19時から22時30分の授業もありました)

それと、宿題や課題がとても多く、週6時間の授業時間に対して、少なくとも同じ時間の6時間は宿題や課題に費していました。私は英語が不得意だったので、6時間以上かかることが多かったです。

こう聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、先生も分かりやすく話してくれるので、受講資格である英検2級(高校卒業レベル)に受かるレベルの英語力があれば、何とかなります。

もちろん最初は先生が何を言っているのか全然分からなくて大変でしたが、耳が慣れてくると少しずつ聞き取れるようになりますし、大量の課題と共に授業を受け続ければ否が応でも英語を聞いたり話せたりできるようになります。

 

4.受講するメリット

(1)英語のリスニング、スピーキング、リーディング、ライティングを満遍なく伸ばすことができる。

最大のメリットは、英語力が伸ばせることです。特に、英語の4技能を満遍なく伸ばすことが出来る点がよかったです。ここでは、4技能をどう伸ばすことが出来るかについて、それぞれ書いていこうと思います。

リスニング

週6時間ほど英語を聞くことになるので、授業に参加するだけでリスニングの練習になります。しかも、先生はネイティブなので、その英語をそれだけの量、聞くことが出来ると、それなりに力がつきます。また、宿題においてビデオ課題を見ることも多々あるのですが、全てが英語なのでそれもまた練習になります。

スピーキング

このコースでは、積極的な授業への参加を求められることから、それによりスピーキングの力をつけることが出来ます。具体的には、授業中に先生から回答を求められたり、グループワークに参加したり、グループの課題を発表することになります。もちろん、これだけで不安だった場合は、オプションでスピーチのクラスがあるので、それを履修することで、よりスピーキングの力をつけることが出来ます。

リーディング

教科書、宿題、課題及び使用するHPの全てが英語なので、日ごろからリーディングをこなすことになります。もちろん、授業の中でリーディングのコツなども教えてくれるので、大変ではありますが、数をこなすことによってリーディング力が鍛えられます。

ライティング

この授業で一番力を伸ばすことが出来る分野がライティングです。5つのコースのうち、後半3つのコースがアカデミックライティングの授業ですが、これらのコースで大学におけるライティングの技術をみっちり勉強します。具体的には、ライティングの構成やよく使う言い回しを学ぶことで、論理的で読みやすエッセイを書けるようになります。また、提出物を出して終わりではなく、一度提出して先生にフィードバックをもらい、リバイスするというプロセスを踏むので、最終的な提出物の段階では、それなりのものが出来ると思います。私は英検2級のライティングの点数が平均より相当下だったほどライティングが苦手だったのですが、このコースのおかげでかなり自信がつきました。

 

このようにブリッジプログラムでは、4技能全てを体系的に学ぶことができます。

独学や英会話教室においても、特定の技能を伸ばすことは可能だと思いますが、4技能全てをバランスよく伸ばすことが出来るプログラムはあまりないと思います。私もかつては独学で英語を勉強していて、本当にこのやり方でいいのだろうかと不安に思うことがよくありましたが、ブリッジプログラムを受講する中ではその心配はありませんでした。レールは敷かれているので、レールの上を頑張って走るだけで目的地に向かうことが出来る安心感はとても心強かったです。

具体的な英語力で言うと、ブリッジプログラムの受講資格である英検2級から、正規コース入学資格である英検準1級レベルまで英語力を伸ばすことを目指していると、ブリッジプログラムの担当者の方が言われていましたが、実際そのとおりだと思います。

 

(2)英語を勉強する仲間が出来る

英語を学びたいという共通の思いを持った仲間を持つことが出来ます。私の職場では英語が不要だったことから、英語を勉強している人はほぼいませんでした。そういった中で、共通の目標を持つ人と一緒に勉強できることは、とても良い刺激になります。特に私は一人で勉強するということが苦手だったので、この点すごく心強かったです。先生が何を言っているか分からなかったり、課題について疑問点があっても、クラスメイトに聞くことで何とか理解が進むことが多くあり、お互いに聞き合えたことをとてもありがたく思っています。

また、皆さん英語を勉強したいという思いで授業を受けていることから、授業へのやる気が多い人が多かったことも良い刺激になりました。

 

(3)日本人と授業を受けることが出来る

英語を勉強しているのに矛盾しているように見えますが、日本人と授業を受けることが出来ることもメリットの一つです。もし正規コースに入学した場合、ネイティブの学生と一緒に授業を受けることになるのですが、彼らは英語を話すことが当たり前である一方で、留学経験がない私のような日本人がすぐに彼らの会話についていくことは難しいのではないかと思います。彼らは英語を使って何かを学ぼうとしているのに、ノンネイティブはまず英語の話し方や使い方を勉強したいという意識のギャップがあるのですが、ブリッジプログラムを受講することで、そのギャップを埋めることの手助けになったと思います。

 

5.必要な英語資格

ブリッジプログラムを受講するためには、一定の英語資格が求められます。

私は基地内大学には興味があったのですが、英語の資格をまったく持っていなかったので、まずは英検を受験するところから始めました。私は英検を受けましたが、テストから結果が届くまでの間が短いDuolingoを使っているクラスメイトもいたので、これから受験される方は時間やテストの相性などを踏まえて選ぶといいのではないかと思います。

ブリッジプログラム受講に必要な英語資格は以下のとおりです。(2022年12月現在)

正規コースより基準が低く設定されています。詳細については、窓口となっている自治体のサイトをご確認ください。

 

英検 2級

TOEFL iBT:45点

TOEFL IPT:450点

IELTS:4.0

TOEIC L&R, S&W:Listening 275点

          Reading 275点
          Speaking 120点
          Writing 120点

Duolingo English Test:75点

 

6.おわりに

以上がメリーランド大学グローバルキャンパスにおけるブリッジプログラムの概要等です。

実際に受講した身としては、受講することでとても英語力を伸ばすことが出来たと感じていますし、自信をつけることも出来ました。特に、留学や海外経験がない方の第1歩としては、とてもおすすめです。

次回以降、詳しいそれぞれの授業の内容についても、書いてみたいと思います。