基地内大学のSecond Bachelor's degree(第2学士号)とは

1.はじめに

メリーランド大学グローバルキャンパス(以下「UMGC」という)には、Second bachelor's degree(第2学士号)という制度があります。

私はこの制度を使い、学士号の取得を目指しているのですが、既に大学を卒業した人にはおすすめの制度なので今回紹介しようと思います。

 

2.Second bachelor's degreeとは

Second bachelor's degreeとは、既に学士号を取得した学生が別分野の学士号を取得できる制度です。日本の大学を卒業した人もこの制度を使うことが出来ます。日本の大学ではあまり見かけませんが、アメリカの大学ではいくつかの大学で導入されている制度のようです。

 

3.メリット

・通常より少ない単位でアメリカの大学の学士号を取得できる。

Second Bachelor's degreeの場合、最小で専攻の30単位を取得することで卒業することが出来ます(※実際に何単位必要になるかは、元々の専攻や履修した授業によるので、アカデミック・アドバイザーに確認をお願いします)。言い換えると、通常は教養や選択科目等の単位を合わせて120単位程度が卒業に必要になりますが、Second Bachelor's degreeの場合はこれらを取得する必要はありません。UMGCは5学期制ですので、1学期で1コース(3単位)を取得すると、2年間で卒業できる計算になります。アメリカの大学の授業は、教養の授業であろうとも大量の課題が出され、生半可ではありません。コスパよくアメリカの大学の学士号を取得できるというい意味では、大きなメリットがあります。

 

・キャリアを広げることが出来る。

アメリカにおけるSecond Bachelor's degreeの制度の目的は、キャリアを広げることにあります。日本の文系と違い、アメリカでは専攻と就職先は大きく紐づいています。そのため、別分野のキャリアを築きたい場合の選択肢として挙げられるのが、この制度です。他にも、Certificateといった1年程度のコースを履修する制度もありますが、それに比べてより幅広く学ぶことが出来るのが、Second Bachelor's degreeです。

 

4.デメリット

・対面やZoomの授業が少ない

UMGCでは、Lower level(いわゆる教養科目)の授業は、多くの対面やZoomの授業が開講されている一方で、Upper level(いわゆる専門科目)の授業は、ほとんどがオンライン(通信制)となっています。なので、専門科目だけを履修するこの制度だと、対面やZoomの授業にほぼ参加することなく、卒業してしまう可能性が高いです。せっかくアメリカの大学で学ぶのに、対面の授業に参加する機会が少ないとがっかりされる方もおられると思います。

ただし、私の場合は最初こそがっかりしていましたが、ネイティブ学生の英語が聞き取れず、また私のひどい発音でネイティブに言いたいことが伝わらないということが多々あったので、全てオンラインで完結するというのは、恥ずかしながら逆にメリットに感じている部分もありました()

 

・Double Majorを履修できない

通常は、別の専攻の授業を選択科目として履修した場合、Double Majorを認められることがあるのですが、Second Bachelor's degreeには選択科目がないことから、Double Majorを取得することは出来ません。ただし、Non-degree studentとしてやCertificate programとして授業を履修することは自体は可能です。

 

5.日本ではどういう効果があるのか

日本の大学では、Second Bachelor's degreeといった制度はあまり見られないことから、日本においてどういう効果があるのかという疑問が思い浮かぶと思います。

恐らく、Second Bachelor's degreeに法的な効果はありません。なぜなら、Second Bachelor's degreeを持っている方はそもそも学士号を既に取得しているので、大卒資格の有無という点では、既に保有している資格であるからです。

この点について、UMGCのアカデミック・アドバイザーに聞いてみたところ、「Second Bachelor's degreeは学生のキャリアを広げるためのプログラムです。Second Bachelor's degreeを学士号として参照することはできますが、混乱を招く可能性がある場合も考えられるので、名乗るかどうかはあなた次第です」と回答が返ってきました。この回答が意味するところは、アメリカでは仕事の幅を広げるために利用される制度で、日本には馴染みがないから通じない可能性があるけど、履歴書に書いたりするの可能だよといったものかなと思います。

したがって、日本では法的な効果は持たないものの、称号として使用する分には問題ないかと思います。特に、アメリカの大学を卒業したと名乗れることだけで、十分なインパクトはあると思います。

 

6.おわりに

以上が、UMGCにおけるSecond Bachelor's degreeの紹介でした。

120単位を履修するのに比べると、30単位程度でアメリカの学士号が取得できるのは、時間の面でも経済的面でもとてもコスパがよいと思います。Second Bachelor's degreeの場合も、必要ない授業を自発的に履修することは可能なので、取ってみたい対面やZoomの授業をピンポイントで履修することで、デメリットを打ち消すことも出来ます。

基地内大学の制度の中でも一番おすすめの制度なので、既に大学を卒業された方で、基地内大学に興味がある方はぜひ検討してみてください。